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「……彼女なんか別に欲しくないです」
「どうして? 亮くんかっこいいんだから、その気になればすぐ作れるよ。 こんな職場の先輩の家に来るだけで、ドキドキしてないで、もっと―――」
「……」 (―――あ) 彼の眼が、鋭さを増した。
子供っぽく見える彼の顔が、妙に大人びて、何か怖いもののように、変化する。 それは抜き身の刀のようで、軽い戦慄が走った。 ……地雷を、踏んだかもしれない。
「忘れてるみたいですけど」 「っ!」
亮くんが一歩近づいて、無意味にびくっとした。 とっさにあげた腕を取られる。ガタっと机が揺れて、テーブルの上の携帯電話が床に落ちた。
手首を掴まれて目を見開く。振り仰いだ頬に亮くんの手のひら。 強い力で、捕らえるように。 「俺だって男です。油断、しすぎじゃないんですか」
「亮く……!」 制止を求める声が、彼の唇で塞がれた。
「んっ……!」 キス。 彼の心を表すかのように、炎のような、熱い―――。
「や……っ!」 振りほどこうとしたけど、できない。亮くんの腕はぴくりとも動かない。そのことに愕然とする。
こんな彼を子供扱いしてた私が、馬鹿みたいだ。 「………ぁ……っ!」
(まさか、このまま……!?) 冷たい汗が浮かぶ。もしそうなっても、きっと私には抵抗できない。逃げられない。 自分の家に亮くんを招き入れた挙げ句、からかって挑発したことを、今更ながらに後悔した。
「―――や、亮くん!」 渾身の力で、私は亮くんを突き飛ばした。
「っ……」 肩で息をする。全力で突き飛ばしたはずなのに、亮くんはわずかに一歩引いただけだった。それも、自分から手を放して。
ひどく静かな目で、彼は私を見つめていた。 そして、 「―――すみません」
硬い声のまま、亮くんはそう言った。 彼の言葉は私の上をすり抜けていく。 |
※掲載中のCG、サンプルテキストは開発中のものです。
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